最強さんは魔術少女を溺愛したい。③ ~恋バトル本格開始の合図は生徒会加入~

 ……だが、今の栞の姿の破壊力は……ヤバい。

 そのタイミングで後ろの倉庫の様子が見え、ウィッグらしき黒い何かが見えた。

 栞が被っていたのは、きっとあれだろう。

「あの、新さん……。」

「いや、今は何も言わなくていい。とりあえず帰るぞ。」

 栞は何かを言おうともごもごと口を動かしているが、今はいい。

 それよりもここから早く立ち去ることが優先だ。

 栞は俺の言葉に一瞬きょとんとしてから、ウィッグと眼鏡を付け直し、いつもの姿に戻った。

「……やはり、栞だな。」

 変装した栞はいつもの地味な姿で、見慣れた栞。

 俺は華奢な栞の手を引いて、足早に学校を出た。



 栞の家に上がらせてもらい、栞の隣に腰を下ろす。

 今の栞の表情は、申し訳なさそうな、言いにくそうな……そんな辛い表情を浮かべていた。

 まだ暗闇にいた恐怖が消えていないのか、微かに肩を震わせている。

「あ、新さん……。」

 だがそれでも、何かを言おうとしてくれている栞。

 俺はそんな苦しそうな栞の姿を見ていられたくなくて、思わず栞を抱きしめた。