今日何度目かのため息を吐いた時、栞からメールが届いた。

《新さん、生徒会活動終わりました!今向かいます!》

 そんな微笑ましいメッセージが届き、だらしなく頬が緩んでしまう。

 はぁ……どれだけ可愛ければいいんだよ、あいつは。

 栞は自分の可愛さに気付いていない。それが俺にとっては困るところだ。

 自分が狙われているということに、お願いだから気付いてくれ……。

 常日頃から思っていることを幾度となく考え、またため息を零す。

 まぁいい。きっと一番信頼されているのは……俺だろうから。

 慢心しているだけかもしれないが、そう思わないとおかしくなりそうだった。



 ……遅い。

 何分待っても栞がこっちに来る気配はなく、苛立ちだけが募っていく。

 いつもはメールを寄越したらすぐに姿を見せるのに……どういうことだ。

 俺はその瞬間、嫌な予感を感じ取りすぐさま栞に電話をかける。

 ワンコール目で繋がった通話に安心しながら、栞に呼びかける。

「栞っ!今どこにいるっ!無事かっ!?」