真っ暗……っ。こわ、い……っ。

 新さんといた時は全然怖くなかったのに、一人だと凄く怖く思えてしまう……っ。

 だけど、そう思った直後ゆっくりと目の前の扉が開く音が聞こえた。

「栞……っ!」

 それと同時に新さんの姿を捉えることができて、私は安心のあまり新さんに抱き着く。

 ……だけど私は、大事な事に気付かなかった。恐怖で、気付けなかった。

「栞……なのか……?」

「え……?」

 新さんは驚いているのか、目を見開いたまま固まってしまっている。

 さっきの恐怖とは違う冷や汗が首元を伝い、自分の髪の毛を持ち上げてみる。

 ……っ、やって、しまった……っ。

 その髪色は真っ黒じゃなく……地毛のピンクが混じった白だった。

 眼鏡もついさっき落としてしまったし、完全にやらかしてしまった……っ。

 まさか、こんなところで……。

 ――変装していない姿を、見られることになるなんて。