最強さんは魔術少女を溺愛したい。③ ～恋バトル本格開始の合図は生徒会加入～

　私は、私のもの……なんだけどな……。ど、どういう意味だろう？

　意味が分かっていない私は、首を傾げてしまうばかり。

　でも明李君はそんなわたしのことなんてお構いなしにぎゅっと抱き着いている。

　まるで……離さないとでも言うかのように。

　あ、こ、この状況……どうしたものか……。

「……はぁ、明李。栞が困ってるから離してやれ。」

　その時、様子を見ていた疾風君が呆れたように息を吐いた。

　ふ、ふぅ……と、とりあえずは解放してもらえるかな……。

　そんなことを思いながら、明李君の顔を見上げた。

「何で疾風にそんなこと言われなくちゃならないの？僕はずーっと栞といるって決めたんだから、ぜーったい離さないもん！」

　だけど……明李君はさっきよりも一層大きな声で言い放ち、疾風君を睨んでいる。

　疾風君はそんな明李君を見て、やれやれと言ったように小さく首を左右に振った。

　な、なんだか悪いことしちゃった気分……。

　疾風君は私のこと助けてくれようとして言ってくれたのに、この扱いは流石に可哀想だ。