「神菜……ここにいたのか。」

「わっ……新さん。新さんも休憩ですか?」

「あぁ。そんなところだ。」

 その時に背後から新さんの声が聞こえて、慌てて後ろを振り返る。

 新さんはいつもと変わらない優しい笑みを浮かべていて、こっちまで無意識に笑顔になってしまう。

 あっ……そういえばっ。

「新さん、試合見てました!本当に凄かったですっ!」

 後で皆さんにも感想を言わなきゃだけど、新さんには一番最初に伝えたかった。

 本当にかっこよくて凄くて、いろんな人を釘づけにしていて……キラキラと輝いていた。

 それが羨ましくて、尊敬する事でもある。

 私の言葉に新さんは、少し恥ずかしそうに視線を逸らしてしまった。

 でもすぐに私のほうに視線を移してくれて、頭をポンッと撫でられる。

「神菜のほうが凄かっただろ。点差が圧倒的だったじゃないか。」

「ふふっ、それは新さんもですよ。」

 頭を撫でられるのが好きな私は、されるがままに新さんに身を委ねる。

 新さんはそんな私を見つめて、ふっと頬を緩めた。