「栞、休憩取ってきていいよ。ここは僕が見ておくから。」

「あ、ありがとうございます!」

 天さんに突然そう声をかけられ、私は席から立ち上がった。

 あの後、試合の結果決勝に進むことになったのは……私のチーム。

 私と同じ女の子たちは「胴上げをさせて!」と私に言ってくるくらい、嬉しそうにしてくれた。

 まだ優勝もしていないのに胴上げなんて……いくら何でも気が早すぎる。

 そう思って断ったけど、それが嬉しかったりもしている。

 ふふっ……私も大分、馴染めてきたかな。

 甘い考えだと言われそうな事は差し置いて、私はそのおかげで結構浮かれていた。

 生徒会役員に休憩時間はあまり確保されていないけど、何かを食べるくらいの時間はきちんと取られている。

 午前の部もこれで一通り終わったし、後は午後の部だよね……。

 途中若干のハプニングもあったけど、無事にここまで来れて良かった。

 ぼんやりとそう考えながら体育館を出て、風当たりの良いところに移動する。

 確か午後の部は……男女の決勝と、AnarchyとZenithの対決だっけ。

 普通の試合でも怪我人や体調不良者がいたから、若干心配ではある。