とりあえず一通り、男子の部が終わった。

 Anarchyの観戦席について、ほっと安堵の息を吐く。

 ひ、久しぶりの体育だったから疲れたぁ……。

 バスケなんてやったことなかったから動きとか支離滅裂になっている気がするけど……そんなことはどうでも良い。

 せっかくこの機会に、栞にかっこいいところ見せようと思ったのに……。

 決勝に進むチームを決める対決で、僕は疾風のチームに惨敗してしまった。

 ある程度の点が取れたとはいえ、負けたことは悔しい……。

 トーナメント制でランダムとはいえ、疾風に負けるのはちょっとだけ癪かも。

 そうやって僕が思うのは、疾風と和向をライバル視しているから。

 最近、疾風たちが栞に好意を寄せ始めてる気がするんだよね……。

 だからこそ、僕はここで決勝まで進みたかったのに……かっこ悪いなぁ。

 また今度、栞によしよししてもらおうっ……。

 ぼんやりとそんなことを考えて、はぁ……とため息を吐く。

 それに、僕が今こうやってため息を吐いている理由は実は他にもある。

 それは……女子たちから異様に気持ち悪い眼差しを向けられている事。