「先輩、頑張ってくださいねっ!」

「うんっ!」

 都真君に声を掛け、私はジャージを体操服の上に羽織って慌てて待機場所へと向かう。

 立ち上がって向かおうとした時、ズキッと足が痛んだけどそんなの気にしてられない。

 都真君に治してもらったから地味な痛みだけだけど、無理に動いたら悪化しそうだな。

 それでも球技大会だから、手を抜くことなんてしたくない。

 ……私だって、めいっぱい楽しみたい。

 私はもう一回足に治癒魔術をかけ直し、駆け足で待機場所へと急いだ。