点差はどちらも激しく、相手を大きく引き離していた。

「今年の一年のエースはあの二人ってわけか。」

 点差を見て、天さんもそうやって感嘆の声を洩らしている。

 うん、これはエースと言われてもおかしくない。

 二人とも本当に凄くて、いろんな人を魅了していた。

「さて、次はいよいよ男子三年バスケ試合ですっ!神々様も出場なさるから、皆さんお楽しみにっ!」

 そんな中で放送委員の人の声が辺りに聞こえ、わぁっとまた会場が沸いた。

 さ、さっきの倍以上だっ……。

 その歓声から新さんがどれだけ人気があるのかを、私はあらためて実感した。

「よし、僕もそろそろ準備するね。」

「頑張ってくださいね、天さん!」

 天さんは私にここを任せて、待機場所へと楽しそうにしながら向かっていった。

 皆さん、頑張ってくださいっ!

 本当は皆さんに直接言いたいけど、今ここは私一人しかいないから離れるわけにはいかない。

 私は心の中でそう言って、三年生の試合に胸を躍らせていた。