そう思ってあわあわと慌てていると、天さんがぼんやりと視線を私に向けながら話してくれた。

「神々はね、男子からは尊敬と畏怖と羨望の的。女子からは好意の対象。去年や二年前は試合にすら出なかったけど、今年は出るらしいから……きっと、そのことが関係してるんじゃない?」

 ……た、確かに天さんの言う通りかもしれない。

 新さんはかっこいいし優しいから、誰にでも人気はある。

 だけどどうして、去年や二年前は試合に出なかったんだろう?

 それに、今年になって出場する理由って?

 そんな疑問が渦巻き、訳の分からないものになっていく。

 でもすぐに自分の両頬をパンッ!と叩き、自分自身に喝を入れた。

 い、今は球技大会に集中しないとっ……!

 私はその後、生徒会役員としてもう少し動いた。

 先生方への確認も機材の最終確認も終わり、試合が始められる雰囲気になる。

 放送係の人に了解サインを出し、遂に球技大会が幕を開けた。



「最初は男子二年バスケ試合ですっ!注目選手はAnarchy幹部の戌待疾風君と夜目和向君のバトル!二人とも身体能力が高いですが、一体この試合はどうなるのでしょうっ!」