最強さんは魔術少女を溺愛したい。③ ~恋バトル本格開始の合図は生徒会加入~

 黒髪で黒い瞳だけど、眼鏡を外しているから僕には分かる。

 ついさっき、僕は柊木栞に助けてもらった。

 僕を狙った奴の仕業だと思うけど、全くと言っていいほど気付かなかった。

 それで代わりに柊木栞がびしょぬれになって、僕がZenith室まで連れてきたんだ。

 一旦は代表室で柊木栞が出て行ってくれるのを待とうとしたけど、どうして水の存在に気付いたのかが気になった。

 僕でさえ気づかなかったのに、どうして柊木栞は気付いたんだろうか。

 そんな疑問が脳裏をよぎり、思わず代表室から出てしまった。

 ……そして、今に至る。

「……っ、来栖さんっ……!?」

 神菜は柊木栞の声で、驚いたような表情を浮かべている。

 だけどすぐに、慌てて眼鏡をかけて苦笑いを浮かべた。

「な、何言ってるんですか……?私は、柊木栞ですよ……?」

 焦っているような口調で眉の端を下げ、一歩後退した神菜。

 ……そんなわけ、ない。

 僕はすかさず神菜の腕を掴み、眼鏡をもう一回外させた。

 前髪も横に流し、顔全体が見せるように調整をする。