やっぱり最近、何かがおかしい。

　成生や皐月があの人間ばかりに気を取られているのは知っていた。

　だけど……。

「あいつは俺のことを理解してくれた。風羽、栞をZenithに引き入れよう。」

「何言ってんの？咲空も、あの人間に絆されたの？」

　そう、咲空がこの前からこんなことばかりを言っていることが何よりもおかしかった。

　咲空はあの人間を僕よりも毛嫌いしていたはずなのに、今のこの変わりよう。

　真剣な真顔で、そんなおかしなことを言ってくる。

　ソファでスマホを触っていた成生も、使い魔の手入れをしている皐月も……その発言に驚いていた。

「咲空、まさか君もおりちゃんの虜……になっちゃったの？」

「……咲空さん、柊木先輩のこと一番嫌ってたじゃないですか。」

　成生も皐月も、咲空の性格を知っているから尚更不思議がっている。

　……僕だって、理解できていない。

　でも、そんな指摘をされた咲空は平然としている。

「だから、俺も栞に興味が出たんだ。あいつがAnarchy側にいるのは、納得ができない。」