最強さんは魔術少女を溺愛したい。③ ~恋バトル本格開始の合図は生徒会加入~

 私はそう思って、鈍く痛む頭と胸を気にしないようにする。

 ここに長居するのもダメだから、速足でその場を去ろうと……した。

 だけど、ある人の姿を私の瞳が捉えてしまった。

「来栖、さん……。」

 今私は、校舎の影に隠れるようにしているから来栖さんからは見えていないはず。

 でも私はしっかりと姿を見つけてしまい、思わず足がすくんでしまった。

 私……やっぱりまだ、克服なんてできてなかったんだ……。

 来栖さんはあの日謝ってくれたのに、私はまだこうやって怯えている。

 来栖さんは変わってくれているのに、私は何一つとして変わっていなかったんだ。

「……どうしよう。」

 小さな声でそう呟き、はぁ……と深呼吸を何回か繰り返す。

 来栖さんの様子はここから見える限りだと、小さなじょうろを持って花壇に近づくところ。

 あれ……?もしかして……。

 その来栖さんの行動に、私はある可能性を頭に浮かべた。

 来栖さんはそのままそのじょうろを傾け、さっき私が眺めていた花壇のお花たちに水をあげている。