ついさっき、自分の気持ちを自覚した。

 俺は――栞のことが、どうしようもなく好きだってことに。

 俺の趣味を否定しないで笑ってくれた、俺のネガティブな気持ちを取っ払ってくれた。

 ……俺の価値を、見出してくれた。

 ライバルに神々、Anarchy幹部や皐月がいるのは面倒だが……俺は欲しいもんは奪う主義なんで。

 何をしてでも俺は、栞を奪ってみせる。

 今までさんざん酷い事をして何様のつもりだと言われそうだが、それは俺だって自覚している。

 その罪はきちんと償うし、こいつに何かあれば絶対に守る。

 ……だから、奪うまでの辛抱だな。

 俺はひっそりそんなことを思いながら、隣でまだ不服そうにしている栞を愛おしく見つめた。