みんなにコツというかポイントを一通り教えて、ふぅ……と息を吐く。

 久しぶりにこんな動いたから、腕と足明日筋肉痛になってそう……あはは。

 まだ十代なのに何でこう思うんだろう……。まさか、筋肉衰えのサイン……!?

 まさか、そんなわけないよね……と、不安になりながらも体育館の隅で休憩を取る。

 壁に背をつけ、その場に座り込んでみんなの様子をぼーっと眺める。

 今はSクラスとAクラスが合同だけど、みんな仲良さそうに練習して思わず微笑んでしまう。

 こうしてみると、みんな魔族や人外と言えど普通の高校生だ。

 人間と何ら変わらない、普通の……。

 でも世界では、そんな種族間の争いだって起こっている。

 ほんの些細なことでも争う原因になってしまうから、私がいじめられていたのも普通なんだ。

 こうやってみんなが仲良いのは、きっと珍しい事。

 私としてはそれだけでも嬉しいことだし、争いがないのは良い事だと思っている。

 私も魔術師として、異種族同士の争いを止めたことがあったから、尚更そう思う。