あの後、天さんと創さんのお説教が無事に終わり、今はお仕事の最終確認に入っている。

　世妖さんは私に抱き着いてはいないものの、近くの椅子に座っている。

　どうしてかを世妖さんに尋ねると「いつでも栞に抱き着けるように。」とのこと。

　そんなに私に抱き着きたいのだろうか……？と、つい考えてしまう。

　その時、天さんが何かを思い出したようにこう言った。

「そういえば、もうすぐ球技大会だけど……いろいろとどうしたらいいと思う？」

　えっ……！？球技大会っ……！？

「天さん、球技大会あるんですかっ！？」

「ん？うん、あるけど……どうしたの？そんなに目をキラキラ輝かせて。」

　天さんはそう言って、不思議そうな表情を浮かべている。

　だ、だって球技大会なんですよっ……！楽しみですっ……！

　今まで魔術師としての仕事を優先していたから、学校行事が凄く楽しみっ……！

「球技大会っ……楽しみっ……。」

「先輩、上機嫌ですね。」

　隣から都真君のそんな声が聞こえてきたけど、今の私の頭の中は球技大会のことでいっぱい。