「……え?」




黒羽(くろば)くんの言葉にびっくりして顔を上げると、真摯に見つめ返される。

優しさと温もりがある視線に、ドキドキが加速した。




「でも、関わらないで欲しい」


「……どういう、こと?」


飛翔謳歌(ひしょうおうか)が何なのかは、教える。初代のことも。でも、今まで通り……学校にいる時の俺達とだけ、付き合って」


「……! うん、分かった」




微笑んで頷くと、黒羽くんはホッとしたように目を細めて、飛翔謳歌のお話をしてくれる。

……わたしを抱きしめたまま。




「飛翔謳歌は、俺や若菜(わかな)達が所属してる暴走族の名前だ」


「暴走族?」


「……不良のチームみたいなもの。溜まり場……倉庫に集まったり、バイクで走ったりする」




説明してもらうと、なるほど、と納得できた。