私は上へと向けた顔を、慌ててそらす。
ちょっ、ちょっと朔。なんで、声かけてくるの!?
1学期の始業式の日。同じクラスになったので、私が教室で朔に『これからよろしく』と声をかけたとき。
『教室では俺に話しかけるな』って、すごく冷たい声で言ったよね!?
だからそれ以来、私は教室では極力声をかけないようにしていたのに。
『話がある』だなんて声をかけてきて、何なの?
ていうか、昨日のスクールバッグのお礼を言わなきゃいけないのに、朔の顔を見れない。
そもそも話って何?
もしかして『千紗のこと、好きじゃない』って直接言われたりする?
昨日の今日だし、嫌な予感しかしない。
もうこれ以上、傷つきたくないのに……。
さっきから色々と考えていたら、気分が悪くなってきた。
「朔、ごめん。私、ちょっとトイレに……」
そう言って、私が席から立ち上がったとき。
あっ、あれ……?
突然、目の前が真っ暗になってクラっときた。
頭痛がさっきよりもひどくなって、身体がフラフラする。
「おいっ、千紗!?」
朔が私を呼ぶ声がしたけれど。返事もできないまま身体が傾き、そのまま私の意識は遠のいていった。



