あれから、どれくらい時間が経ったのだろう。
燃えるようなオレンジ色だった空は、いつの間にか藍色へと染まりつつあった。
そう言えばスクールバッグ、教室に置いたままだ。
スマホもあの中に入れっぱなしだから、手元にない。スマホはないとさすがに困るよね。
学校にカバンを取りに行こうか、どうしようかと悩んでいたとき。
…──ピンポーン。
家のインターホンが鳴り、「千紗ちゃーん。朔くんが学校のカバン持って来てくれたわよ。おりてらっしゃーい」というお母さんの声が、階段の下から聞こえた。
えっ!?
『朔』という名前に、ドキリとする。
あんなことを言われたあとだから、今は朔に会いたくないのに……。



