幼なじみの告白。



気まずさから、私は落ちた本を急いで拾うと、逃げるように廊下を走り出す。


「ちょっ……待てよ、千紗」


朔に名前を呼ばれた気がしたけど、私は止まることなく走り続ける。


「はぁっ……はぁ」


そしてそのまま、学校から家へと帰った。


「あら、千紗ちゃん。おかえり」


一軒家の玄関を無言で入り、声をかけてくれたお母さんにただいまも返さず、真っ直ぐ2階の自室へと駆け込んだ。


「っ……はぁっ」


背中は自室の閉めたドアへともたれたまま、私はズルズルと床へと座り込む。


そしてついに、涙が堰を切ったように流れ出して止まらなくなった。


制服のスカートが、ぽたぽたと濡れていく。


ねぇ、朔……どうして?


私のことを好きじゃないなら、今まで優しくなんかしないで欲しかった。


『千紗を泣かせる奴は許さねぇから』とか、そんなこと言わないで欲しかった。


ずっと、冷たい態度のままで良かったのに……。


好きじゃないなら、もしかしたらって私に期待させるようなことを言ったりしないでよ。