……え?
「だから、俺は千紗のこと……好きじゃない」
朔の言葉が、刃のように私の胸にグサリと刺さった。
『千紗のこと……好きじゃない』
そんなにハッキリと言われたら、いくら何でも傷つく。
「だから西山は、俺のことは気にせず……千紗のことを好きでいろよ」
ねぇ、朔。どうしてそんなことを言うの?
そんなこと言われちゃったら……本当に朔は私のことを何とも思っていないんだなって嫌でも思い知らされるじゃない。
胸がズキズキと痛む。
もしかしたら私は、どこかで期待していたのかな?
落ち込む私を元気づけようと、イチゴミルクを買ってくれたり。
私をからかっていた西山くんに、強く言い返してくれたり。
冷たいけど、なんだかんだ優しい朔に。
朔も、同じように私のことを好きでいてくれてるって。どこかでそう思っていたのかな。
「……っ」
目の前が、少しずつぼやけていく。
私のことを『好きじゃない』ってことは、イコール『嫌い』ってことだよね?
ずっと信じたくなかったけど……あの花占いの結果は当たっていたんだ。
あまりのショックで、図書室で新たに借りた単行本が2冊、手から滑り落ちる。
バサバサッ!
静かな廊下に落ちた本の音で、教室にいた朔がこちらを向いた。
「えっ、千紗……?!」
まずい。
教室の開いた扉からいつの間にか私の顔が出てしまっていたので、私がここにいることを朔に気づかれてしまった。



