図書室へ返却する本は持っていたけど、まさかスクールバッグを教室に置き忘れていただなんて。そういうところ、私ほんと抜けてる。
階段をのぼり、教室の前までやって来た私が、半分開いたドアから中へと入ろうとしたとき……。
「なぁ、安東。お前に話があるんだけど」
教室から聞こえてきた“ 安東 ” という名前に、私の耳がピクンと反応する。
声がしたほうに目をやると、人気のない静まり返った教室で、朔とクラスメイトの男子3人が立っているのが見えた。
その中には、私の後ろの席の西山くんもいる。
「安東。お前、昨日仲田と一緒に帰ってただろ?」
「……!!」
え。もしかして、私と朔のことを話してる?
そんな中で教室に入る勇気はなくて、私は咄嗟に教室の扉の陰に隠れた。



