「え?」
「やっと声に出して笑った。さっきグラウンドにいたときから千紗、ずっと何だか思いつめた顔してたから。それが妙に気になったっつーか。それで、帰る前にお前に声かけたんだ」
そうだったんだ。わざわざ、声をかけてくれたんだね。
「やっぱり千紗は、悩んでる顔よりも笑ってる顔のほうが何倍も良い」
朔……。
まさか、朔が私にそんなことを言ってくれるなんて。
イチゴミルクも奢ってくれたし。
最近は冷たいときもあるけど、朔は何だかんだ優しいなぁ。
「ありがとう、朔」
私は、心からの笑顔を朔に向ける。
「べっ、別に俺はお礼を言われるようなことは何も……。ていうか、それ早く飲めば?」
「うん」
私はペットボトルの蓋を開け、イチゴミルクをごくごくと飲む。
「美味しい」
甘くて、とても優しい味がして。
飲んでいると、自然と笑顔になる。
すると、隣から視線を感じた。
「朔……?」
そちらに目をやると、朔がこちらをじっと見ていた。



