「この間、僕に結婚したいって言っただろ? ずっと考えてたよ。さくらは酔った勢いで言った冗談かもしれないけど」
「冗談なんかじゃない。本当に一郎の事が好きだったの」
「ありがとう。僕もさくらの事が好きだ。だけど、さくらは僕にとって目の中に入れても痛くない程、愛しい娘なんだ」
「うん」
さくらが涙をいっぱい浮かべて頷いた。
「さくらと親子になれて幸せだった。僕をお父さんにしてくれてありがとう」
さくらが顔をくしゃっとさせて僕の胸で泣き崩れた。
「ずっとそばにいて……お母さんの所に行かないで……。
ねえ、お願い……一郎……」
消えかかった腕で強くさくらを抱きしめる。
さくらと過ごした15年の月日が胸を熱くする。さくらがいたから幸せだった。本当に、本当に幸せだった。
さくら、ありがとう。幸せになれよ。
強く願った瞬間、目の前のさくらが消え、僕は光になった。
終
「冗談なんかじゃない。本当に一郎の事が好きだったの」
「ありがとう。僕もさくらの事が好きだ。だけど、さくらは僕にとって目の中に入れても痛くない程、愛しい娘なんだ」
「うん」
さくらが涙をいっぱい浮かべて頷いた。
「さくらと親子になれて幸せだった。僕をお父さんにしてくれてありがとう」
さくらが顔をくしゃっとさせて僕の胸で泣き崩れた。
「ずっとそばにいて……お母さんの所に行かないで……。
ねえ、お願い……一郎……」
消えかかった腕で強くさくらを抱きしめる。
さくらと過ごした15年の月日が胸を熱くする。さくらがいたから幸せだった。本当に、本当に幸せだった。
さくら、ありがとう。幸せになれよ。
強く願った瞬間、目の前のさくらが消え、僕は光になった。
終



