「ま、そんな感じ。今日からお前もここに来たいときに来ていいから」


「……」



来たいときに来ていいって、あんな分厚い鉄の扉をくぐれってこと…だよね…?


渡されたカードキーは明らかにその頑丈たる扉を開けるためのもの。

まさか学校にそんなものが設置されていたなんて、くぐった先にある教室はありふれた教室だというのに。


どうやらその場所へ入っていいのは限られた6人だけだという。



「あの鉄の扉も綾都たちが作ったのか…?」


「いや、俺たちの前にここを牛耳ってた生徒。ここが根っからの歴史ある不良高校ってこと忘れた?」


「…あ…、そうだったな、」



普段でも暗ったるい校舎内の、もっともっと暗い場所。

やっと連れられた今日、そこにはカードキーを使う大きな扉があって、いくつかの教室が並んでいた。


そのひとつ、メインで使われている教室に今わたしは立っている。


ソファーに机、テレビやゲーム類、簡易的な冷蔵庫、ビリヤード台とダーツボード。

退屈だけはしなさそうな教室だ。

というより、さいあく住むことだって可能。



「ここがRain shadowしか入れないアジト…、」