……自分の格好を再確認する。
私立高校の制服じゃなくて、ヒラヒラしたスカートでもなくて、着崩さずピタッと留めているネクタイで。
背中を隠していた髪だって顔周りで切り揃えられているショートヘア。
「っ!ぼ、僕は水本 爽雨だ…!男なんだ僕は…っ!」
「馬鹿なのお前。それって逆に怪しくしか見えねぇよ」
「……」
空回ってるし、笑われてしまった。
こんな住宅地のど真ん中で自己紹介してどうするのわたし。
ごめんねお兄ちゃん…。
まだわたしはやっぱりお兄ちゃんにはなりきれてないみたい。
「でも、前のあれはさすがに惚れたわ」
「……えっ、」
たぶん、全校生徒へ向けて放送室から宣戦布告したときのことだ…。
でも惚れた……?
惚れたって、好きになったってこと…?
「俺が女だったら」
ベッと舌を出してはしてやったと言わんばかりの顔。
熱を持った顔を冷ますようにぶんぶんと横に振って、ぷくっと頬を膨らませる。
「なにそれ」
「…泣かないように我慢してる、」
そんなふうに女の子をからかってくるなんてひどい。
……だけどわたしは男だ、男なの。
「でも俺、おまえが女だって知ってる上で言ったんだけど?」
「……??」
「鈍感」



