「でもまさか俺の代で本当に天下取れるとは自分でも思ってなかったけど」
「…お兄ちゃんもそうなのかな、」
「どーかな。爽雨はわりと最初からその気だった気もする。そもそも俺を誘ってきたのもあいつだから」
懐かしむように久遠 綾都は瞳を伏せた。
「…あの、ちなみにRain shadowって名前をつけたのは、」
「もちろんお前の兄貴」
ぱあっと嬉しさが込み上げてくる。
日記には鬱陶しそうに妹のことが綴られていたけれど、やっぱりわたしが知ってるお兄ちゃんも消えていなかったんだ。
「わりとシスコンだよな、爽雨って」
「え、そうかな…?」
「あぁ、お前の話ばっかだったし」
だからこの人も初めて会ったときから良い意味で馴れ馴れしかったのかな…。
いっぱいお兄ちゃんからわたしの話を聞いていたなら納得だ。
「ふっ、」
嬉しさを隠しきれないでいると、また笑われてしまった。
わたしはどうにもよく笑われる立場らしく、それも理由不明の。
「そ、そんなに変な顔してた…?」
「いや?兄貴の制服着れたんだなって」
「…ベルトすっごく締めてるし、裾だってちょっとだけ上げてるよ」
「ふっ、ははっ、ちょっとだけか。あいつチビだったもんな」



