「…俺も会いたかったよ」
「……え…?」
だれに?
あなたは誰に会いたかったの…?
見つめてみると、微量に下がった目尻。
必死に考え込むわたしを置いてきぼりにするように、すでにドアの前に立ってる久遠 綾都は振り向いた。
「ほら、はやく」
「あっ、うん…!」
とりあえず色んな説明については後日ということになって。
校舎を出ていく背中を追いかけた。
「うそっ!?久遠さんなんだけど…!!」
「やばい今日ツイてる…っ!!てか水本さんもいるし、さっき瀧くんも見れたし最高ーーーっ!!」
……なんだこれは。
校舎前には女子高生の人集り。
まるでアイドルを出待ちしてるファンの子たちにしか見えない光景で。
「……なにこれ、」
「月に何回かやってくる日。遼成が言うには俺たちのファンだと」
「やっぱりそうなんだ…」
どうやらここは気にせずスルーしながら通りすぎることが、正しい帰宅方法らしい。
「月に何回かって…、これ不定期なの…?」
「最初の頃は毎日だったけど、さすがに迷惑だって察したんじゃねぇの。
いまは俺たちの新しい情報を更新しては周りと共有してるっぽい」
「新しい情報…?」
「髪が伸びただとか、制服の衣替えしただとか。SNSに上げるなとは脅してあるからそこは大丈夫だろうけど」



