Rain shadow─偽りのレヴェル─





「いつまで待たせる気?連れてこいっつった場所はここじゃねぇよな?」


「…すみません、ちょっと話し込んでしまって、」


「そのままバックレたかと思ったわ」


「おれは約束は守りたい男ですから」


「へぇ、それは遠回しに時間設定しなかった俺を責めてんだ?瀧」



彼はどうやら、そのマフラーの使い道を効率よく利用しているらしい。

言葉にならなくなったとき、そうして口元を埋める。


だけど彼らには喧嘩になりそうな空気感は無かった。



「瀧はもう帰っていいよ」


「…わかりました」



なにか言いかけていたような気がするけれど、マフラーをなびかせながら教室を出ていった。

放課後の教室に久遠 綾都とふたりきり。


これからどんな場所へ連れられるんだろう。
たぶんRain shadowのたまり場のはずだけど…。



「んなら、俺たちも帰るか」


「えっ、」


「なに?」


「だって、これから何か話があるんじゃ…」


「時間。俺じゃなく瀧とかなり仲良さそうに潰されたみたいだし?」



黒板の上に飾られている時計は、本当にただの飾りだと思っていたけど一応はちゃんと作動しているらしい。

確かにもう17時ちかい…。