「…いや、うれしいんだ。本当に弟みたいだから」
年下と関わることだって、今までなかった。
それにお兄ちゃん以外の男の子とこんなにも話したことだってない。
「…知ってますか爽雨さん。蛇って、どんなに大きなものだとしても丸飲みできるんですよ」
「え…?」
常にダルそうな眼差しが鋭くなった。
まるでそれは獲物を射止めるヘビ。
ここで赤矢が言っていた言葉が脳内を駆け巡って、ドクンと恐怖に似た感情が顕(あらわ)れる。
「顎を自ら外して、口の中で溶かして吸いとって、一体化させる」
「たき…?」
「…おかしいな、爽雨さんはここにホクロがあったのに」
「っ!!」
つう、と。
シャツから覗いた首筋へ、骨ばった指がなぞる。
ぎゅっと唇を噛んでいないと声が出てしまいそうで、足に力を入れていないと座り込んでしまいそうで。
「…なんて、冗談ですよ」
「おせぇんだけど。瀧」
そのふたりのタイミングは一緒。
ガクンっと力が抜けたわたしのタイミングが少しあとから追いついてきて、ぽすっと支えられる。
そうしてくれたのは放課後にわたしを呼び出した本人さんで。



