丸っこい目は人懐っこさを連想させて、赤色をした髪はツンツンと跳ねさせて短め。

けれど素早い動き、静まる教室内を気にすることなく響く陽気な声。


間違いない、この男が烏間 赤矢だろう。


気にはなっていた。

同じクラスだし、まだ顔を見たことがなかったRavenの総長であり、一応はRain shadowの幹部のひとり。

けれど佐狐 遼成と組んで反乱を起こそうとしている人間で。



「…あかや、」


「ん?」



また首を絞められるかもしれない。

今度はもっと痛い思いをさせられるかもしれない。


目を合わせたらダメな気がした。
カラスはキラキラ光る綺麗なものが好き。

だから目を合わせるのは良くないと、昔からお兄ちゃんに教えられてきた。



「…君はどうして反乱なんか起こしてるんだ赤矢」



スッと視線を落として、取られた春巻きの代わりに卵焼きを口に入れた。

身体の震えがバレないように、ぎゅうっと机の下でにぎった左手。



「オレはそないつもりないで?ただおもろいことが好きなだけや。
最近のRain shadowはつまらんくてしゃーないねん」


「僕たちは仲間だろう。喧嘩なんかやめて、仲良くしよう」