「………みう、」



ぽろりぽろりと大粒になって伝って。

ありがとう、ごめんな、言葉の代わりに止めどなく溢れる。



「みう、深雨…っ、ごめん、ごめんな……っ、…生きてて…よかった……っ、」


「深雨さん……っ!!」


「……おかえり、深雨、」



顔を見合せて泣く、俺たち双子。

涙いっぱいに抱きつこうとした瀧を止めながらも声を震わせる綾羽。


ちょうどなタイミング、病室に入ってきては嬉しい異変を見つけて駆け寄ってくる3人。



「深雨…ッ!!待ちくたびれたわドアホ……!!これっ、いちばん人気の少女マンガやねん…っ!!
残り1冊ゲットしたんや……!!」


「そんなのより一緒にお菓子たべよーよ、
…深雨ちゃん」


「腕は平気か…水本妹、…よかった…よかった、」



なぁ翠加、見てる?


笑えるだろ。

不良グループを統括する組織の男たちが、みんな揃って泣いてるんだ。

ひとつのベッドを囲って、それぞれがたくさんの涙を降らせてるんだよ。



「……雨、だ…、」



ちがうよ深雨。

今日は晴れてるんだよ。
びっくりするくらい良い天気なんだ。




「─────陰のなかに降ってくる…、きれいな雨……っ、」




これが本当の、Rain shadow。