ふわっと、頭からブレザーが掛けられた。
これってまるでわたしの声というよりも、わたしごと隠してくれてるみたいだ。
慣れない匂い、柔軟剤の香り、それは心地よく鼻先を刺激してくれる。
「やんのかゴラァ…!!てめぇらクソ狐ごときが俺たちViperに勝てるわけねえだろうが!!」
「ぁ”あ”!?ぶっ殺してやる…!!」
ガッ…!!ドガッ!!
こわい、どうしよう、もう嫌だ。
足が震える、どうしようどうしよう。
でも立たなくちゃ。
わたしは男になるって決めたでしょう。
お兄ちゃんはこんなところで腰を抜かすような生徒じゃなかったはずだ。
「うが…ッ!!くそっ、おいバット持ってこいお前ら…!!」
「おらぁぁぁッ!!Ravenをナメんなァァァァ!!!」
ガッシャーーンッ!!!
バンッ!!パリン───ッ!!
ひとつにまとまってたんじゃないの…?
こんなのは反乱だ。
鈍い音、割れる音、人が吹き飛ぶ音、グラウンドからはバイクのエンジン音が聞こえる。
先生が機能していないから、生徒たちだけで機能する高校。
「…怖いよな、そりゃ」



