綾都side




「どうにも、鬼神はかなり危ない連中と関わりがあるらしい」


「危ない連中って?ヤクザ?半グレ?密売人?」


「あぁ、思いつくとこ全部。そもそもクスリを入手する方法なんか、裏と関わる以外は考えられねぇだろ」


「…まぁ、確かに。でも想像はできてたよね」



Rain shadowで開かれる会議のとき、必ず言葉をよく交わすのは俺と遼成だった。

残りの3人は聞き手に回って、理解力がいちばん乏しい赤矢がたまに質問をしてくる程度。


霊池と最年少である瀧は黙って聞いていることが多い。



「わりと縄張りもでかい。うちの連中が金を使って引き抜かれてると情報も入ってる」


「あー、それは俺も聞いてる」


「オレんとこもや。まぁ別に向こうに行ったら行ったでええんやけど」



5人が揃う放課後のアジト。

決戦の日は2日後まで近づき、今日は最終会議だった。


ソファーに座る俺の隣、遼成はビリヤード台に寄りかかる赤矢を目を丸くさせて見つめた。



「え?いいの赤矢」


「んなもん仲間とは呼べんし、いらへんわ。どーせオレが叩きのめすだけやしな」


「ははは、それは俺も同感かも。仁くんと瀧のところはどう?なにか聞いてる?」