ドクンッ、ドクンッと。
わたしの胸は2回大きなものに襲われた。
ひとつは新しく現れた男が“綾都”という男だと知った瞬間。
そしてもうひとつは、“反逆者”という言葉を聞いた瞬間。
「遼成、これがお前の宣戦布告なら受けるけど?」
言葉にならない恐怖のようなものを前にしたからか、一瞬息を飲んだFoxの総長。
けれど通常どおりの狐顔に戻す。
「そんな暇じゃないんだ俺。向こうで赤矢に呼ばれてるから、またね」
余裕そうに佐狐 遼成は去っていった。
すぐにケホケホとわたしの咳が響くと、そっと背中を撫でられる。
「もっと咳しろ、そこに詰まった空気出せるだけ出せ」
「けほっ、こほっ、…ふぅ、」
「…よし、」
ふっと、彼は笑った。
佐狐という男を殴ったあとだというのに、こんなにも優しく撫でてくれるなんて。
「…ありがとう…ございます、」
「…おまえどーした?なんかヤバいもんでも食った?敬語とか気持ちわりぃんだけど」
「あっ、……食ってない、」



