『…なら俺はひとりで動く。ぜったい俺だけで…翠加を救う』
『爽雨さん…!!』
そこから、崩れた。
ぜんぶが崩れて、賑やかだったアジトには誰も寄り付かなくなって静かになってしまって。
爽雨さんとも会えなくなって、連絡すら取れなくなって。
だけどおれはそれまで鬼木の下についていたViperの一員でもあったから。
おれはおれで色々やることがあって、そこにまで手を回せなかった。
爽雨さんなら大丈夫だって、あの人が姉さんを想う気持ちは誰よりも知っていたから、おれだって信じたかったんだ。
『─────……ねえ……さ…ん、』
それでも現実は待ってはくれなくて、雨はいっそう強く降りつづけるばかりで。
その日も全身を刺すような雨が止まない夜だった。
やっと情報を掴んだ倉庫へRain shadowがたどり着いたときにはもう、鬼木はどこかへ消えていた。
でもそんなこと、今となってはどうでもよかった。
『……おい……、あれって、なぁ、うそやろ……?』
『っ!!翠加……!!』
『姉さん……っ!!』



