Rain shadow─偽りのレヴェル─





だってそんな爽雨さんを近くで見ていたのはおれだったのだから。



『す、すみません…、たぶん犯人は鬼木で……鬼木はずっと綾都さんを狙ってたから…綾都さんには、言ってて、』


『───…は……?』



その目が悲しみと絶望と悔しさで染まっていくのが分かった。

いつも頼られないことを気にしていて、久遠 綾都に誰よりも劣等感を抱いている人だったから。


尚更、そこに姉さんが絡んだときはどんな顔をするかなんて。

そんなの、わかったはずなのに。



『……おにき……、鬼木って、元Viperの…?』


『…そうです、』


『…それすら知らされてなかったのは、俺だけか、』



Ghost、Raven、Fox、Viperは統括されるまでみんな敵同士だったから、それぞれの情報は持っていて。

だからおれ以外の総長である彼らも今回の事件が鬼木の仕業だと勘づいてるだろうから、すでに動いている。


けれど、参謀である爽雨さんはそこまでは把握していなかった。


チェスを動かす司令塔だからというわけでもなく、彼は、それまでこういった不良グループからは遠い生活をずっとしていたから。

関わりもRain shadowが作られてからで、だからそこまで個人の名前では上がっていない。