けれどそれから2年もしないうちに父親は借金を作って夜逃げしてしまい、残された母親は夜職をしながら生計を立てて、だんだん精神が壊れていった。
血のつながった一人息子のおれよりも、血のつながらない姉に対する暴力のほうが当然大きいもので。
『だいじょうぶ!私には瀧がいるから!』
それなのにいつだって屈託ない笑顔を向けてくれるのが義姉だった。
そのとき姉さんがいつも以上に殴られていた理由は、おれの首にそっと巻かれたマフラーが原因だったというのに。
『これね、瀧に私からの誕生日プレゼント!首の火傷…熱くて痛かったでしょ…?
ごめんね、あのとき私…お姉ちゃんなのに見てることしかできなかった……、』
鱗模様のように付けられた火傷。
酒に溺れた母親がお遊び感覚でおれに当てたものだった。
それを隠すように、姉から渡された同じ模様をしたマフラー。
『ほら、こうすればヒーローみたいで格好いい!』
『っ、ひっく…っ、うわぁぁぁぁんっ!』
『あーもうっ、泣かないの!瀧、お姉ちゃんと一緒に強くなろう?強くなって……お互いをお互いが守ってあげるの!』
『うん…っ、うんっ、』



