「喧嘩はやめろ。公共の場だぞ」


「うわーっ!!なんやそのでっかい水鉄砲!!凶器やん!!」


「仁くん、俺と組もうよ。俺と組んでRavenなんか潰そう」


「はあ!?セコいわリョウセー!!」



それにしてもやっぱり男の子の身体というのはすごい…。


赤矢だって佐狐だって霊池先輩だって、瀧は隠れているけど脱げば同じだろう。

ふだん制服に隠れている筋肉とやらはしっかりと付いているらしく。


わたしはどこを見ればいいか分からないため、とりあえず海のずっとずっと先を見つめていた。



「爽雨さんは…水着じゃないんですね」


「へっ、あ、うん。僕は…いいかな、」



そんなわたしの格好といえば。

いつもどおり兄の私服でもあったカーゴハーフパンツに、濡れても透けない生地のラフなTシャツを合わせていて。


The・ただのそこらへんにいる男の子。



「ほら、日焼けとかもあるし!誰かに肌を見せたりするの…あまり好きじゃなくて、」


「…そうなんですか、」



っていうのはね、嘘なんだけど。

ごめんね瀧。
でもこればっかりは言えないんだ…。


さすがに脱ぐわけにはいかないし、海は眺めるほうが好きなタイプだったりもするから。