どこか怪我してるの……?
具合でも悪いの…?
これ以上探らないほうがいいことは分かっているけれど、また気になる話題が増えてしまった。
「てか、なんで俺の顔は見てくんねぇの」
「っ、」
あれ…?
この人との距離感ってこんな感じだったっけ…?
でもRain shadowの幹部たちはみんなわたしと距離が近いように思う。
赤矢だって佐狐だって瀧だって。
あ、霊池先輩だけは一定の距離感を保ってくれているけれど…。
「なに、もしかして意識してるからってこと?」
「ちっ、ちがうよ…!!」
「お、やっと目合った。…久しぶり」
とろけるような甘い声が飛び出す形の良い唇が、ふわっと横に伸びた。
そんなものをこんなにも近くで見る羽目になるなんて…。
「……お、お久しぶり、です、」
改まった言い方が面白かったらしい。
さっきの一連が消えてしまうほど、久遠くんは静かに笑っていた。
「んで、瀧と何があったか赤裸々に教えてもらえる?」
「……なら、僕も聞きたいことがある」
「なに?」
ふたりでいるときは深雨でいる。
そんな約束を破ってしまったとしても、わたしが珍しい顔をしていたからか、久遠くんもそこはスルーした。



