瀧がいなくなると、もうひとりはわたしをひょいっとお姫様抱っこしてしまった。
そのままアジトまで何食わぬ顔をして向かっていく久遠 綾都。
久しぶりに顔を合わせていつも以上に緊張するのに、こんなのもっと耐えられない…。
「俺がいない間に瀧とくっついてんの」
「えっ!?ちがうよっ、瀧は……、ちがくて、」
「…なんだよ、言えって」
……言えない、言えるわけがない。
誰にも言わないって約束したから。
あの子は男の子を恋愛対象にできる子でもあるから、自然と距離感が普通より近いんだと思う。
……なんて。
「と、とにかくっ、本当に瀧はかわいい弟みたいなだけで、」
「…だからって抱きしめるか普通」
「あれはっ、それも……理由があって、」
「なんだそれ」
というか、どうしてベッドの上なの…!?
ソファーがあるほうの教室じゃないの…?
もうこんなところ2度と入りたくなかったのに…!!
身体も離されないし、そのまま腰かける久遠くんの膝のうえ状態だ。
「そ、そっちこそ数日間どこ行ってたの…?」
「……俺は、病院」
「びょういん…?」
「あぁ、ちょっとな」



