未知の口づけでシエルの思考を奪ったグランツが笑い、また彼女に甘いぬくもりを与える。

 翻弄されながらも、やがてシエルはぎこちなく恋人の行為に応え始めた。グランツの背に腕を回し、彼が伝えてくるのと同じだけの想いを口づけに込めて返す。

 イルシャとミュンはすっかり二人の世界に入った恋人たちを邪魔せず、『あとはご自由に』とでも言いたげにおとなしく見守っていた。