ラベーラの問題が解決し、グランツの名誉も無事に回復した。

 再び煤の森がシエルにとって素敵な場所に戻る。

「しばらく見ない間に大きくなったな」

 グランツがミュンを木桶にいっぱいの水で洗いながら言う。

 彼の言う通り、ちょこちょこと動き回っていたミュンは母親の半分ほどの大きさになっていた。動きも今まで以上に活発になり、最近は小型の獣や鳥を狩ってはシエルに見せびらかしている。

「大きくなるのはいいことなのですが、いたずらする回数も増えてしまって。よくイルシャに怒られています」

 シエルはというと、グランツがミュンをきれいにしている間にイルシャの背をブラシで磨いていた。