──事の発端は三日前。柳沢くんの幼なじみ、高森くんと知り合った数日後のことだった。




「……というわけで、うちのクラスの出し物は、『イメージ真逆⁉なりきりコスプレ喫茶』で決定しました!」




来月開催される桜崎高校文化祭。

文化祭実行委員による投票結果の宣言に、周りからわっと歓声が上がった。




「いつものイメージと真逆のコスプレかー。どんなのがいいかな」


「うーん……あ、正統派王子の柳沢くんには、不良コスとかしてもらいたいかも♡」


「それいい!」




わいわいと盛り上がる教室。

いいな、こういうイベント事に浮かれてる雰囲気って好きなんだよなあ。




「ねえ、香田さんはどんなコスプレする?」




隣の席の子から聞かれて考える。




「うーん、私の真逆のイメージか……」


「マイナスイオン女子の香田さんだから、逆をいけば、環境に悪そうなぐらいド派手な格好とか」


「あはは、なるほど」