「……で、何がどうなってそうなったんだ。栞？」

「あ、あはは……わ、私もよく分かってなくて……。」

　教室に戻って席に着くや否や、明李君が私にくっついている。

　後ろから抱きしめられる体制になっており……なんだか気恥ずかしい。

「あ、明李君？な、何でくっついてるの……？」

　気になって恐る恐る聞いてみると、明李君はその体制のまま答えてくれた。

「え？だって栞のこと大好きなんだもん。」

　……え？

　明李君、今何て言ったの……？

　明李君の言葉に、隣で傍観していた疾風君と和向君も驚いて目を見開いている。

　私自身も驚きを隠せなくて、口を何回も開閉させていた。

「栞、だーいすき！」

　一方、明李君は私の気持ちなんて知らずにそんなことを言っている。

　だけど私は、すぐに首を左右に小さく振った。

　きっと明李君が言ってるのは、友達として言っているんだ。

　そう考えるのが妥当で、うんうんとすぐに納得する。

　私も明李君のことは友達として好きだ。それは疾風君と和向君も、もちろん新さんだって一緒。