だけど……栞がいるなら、頑張れる。
その時に、僕はある事に気付いた。
栞は僕が……さとり族だってことをきっと知らない。
でも言ったら、どうなるか……。
先のことを考えるのは怖かったけど、栞なら……と思って意を決して言ってみた。
「栞。……僕実は、さとり族っていう種族なんだけど……怖くない?」
教室に戻ろうとした栞を呼び止め、そんな困らせる質問を投げてしまう。
何て言われるのかが怖くて、思わず視線を下に移す。
「怖くなんてないよ。」
ぎゅっと目を瞑った時、同時にそんな声が聞こえて顔を勢いよく上げる。
栞は相変わらず微笑みを浮かべていて、ゆっくりと口を開いた。
「さとり族はさとり族でも、その前に君は明李君っていう人だから。怖くなんてない。……種族なんて、関係ないよ。」
にこっと笑った栞に、また心臓が痛くなる。
やっぱり僕、栞のことが好き。それは大好きなほどに。
「そっか、ありがとう。」
恥ずかしくて短い返事しかできなかったけど、僕の気持ちは満たされた気分だった。
その時に、僕はある事に気付いた。
栞は僕が……さとり族だってことをきっと知らない。
でも言ったら、どうなるか……。
先のことを考えるのは怖かったけど、栞なら……と思って意を決して言ってみた。
「栞。……僕実は、さとり族っていう種族なんだけど……怖くない?」
教室に戻ろうとした栞を呼び止め、そんな困らせる質問を投げてしまう。
何て言われるのかが怖くて、思わず視線を下に移す。
「怖くなんてないよ。」
ぎゅっと目を瞑った時、同時にそんな声が聞こえて顔を勢いよく上げる。
栞は相変わらず微笑みを浮かべていて、ゆっくりと口を開いた。
「さとり族はさとり族でも、その前に君は明李君っていう人だから。怖くなんてない。……種族なんて、関係ないよ。」
にこっと笑った栞に、また心臓が痛くなる。
やっぱり僕、栞のことが好き。それは大好きなほどに。
「そっか、ありがとう。」
恥ずかしくて短い返事しかできなかったけど、僕の気持ちは満たされた気分だった。

