最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

「助けてくれた理由は分かった、けど……僕を助ける必要なんてなかったはずだよ。それに君が怪我しちゃうかもしれない場面だったのに……何で?」

 君にはメリットがない。それなのに、何でわざわざ助けてくれたのか。

 「暴力を振るわれていたから。」じゃ、納得なんてできない。

 しつこいかと呆れられるかも、と思ったけれど、彼女は一瞬目を伏せてから僕の瞳を真剣な眼差しで捉えた。

「困っている人がいたら、助けるのは当たり前です。……それに、暴力を受けている人を放っておくなんて……できません。」

 ……変な人間。

 やっぱりこう思うのが一番妥当な気がして、言葉にして表す。

「君、変な人間だね。僕みたいな嫌われ者を助けるなんて。」

 さとり妖怪として嫌われている僕を助けるなんて……変だとしか言いようがない。

 それに彼女は人間で、魔族や人外を恐れているはず。

 僕なんて、生きてても意味ないのに……。

「嫌われ者、だなんて言わないでください。」

 そうネガティブ思考に陥りかけた時、彼女の凛とした声が耳に届いた。