最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

「君、どうして昨日僕を助けたの?」

 裏庭に連れてきて早々、抱えた疑問を彼女に伝える。

 彼女に助けられてから、そればかりを考えていて気になっていたこと。

「それは、あなたが暴力を……振るわれていたから、です。」

 彼女は僕の疑問に、恐る恐る口を開いてこう発した。

 それだけで、助けるだなんて……。

 意味が分からずに深掘りして、別の疑問を投げかける。

「じゃあ、何で僕をご丁寧に保健室まで連れて行ったの?」

 助けたとしても、あそこで放っておいても良かったはず。

 なのにわざわざ、彼女はご丁寧に保健室まで連れて行ってくれた。メリットなんかないのに。

 彼女はその言葉に間髪入れずに、こんなことを口にした。

「だ、だって、怪我を放っておいたら、酷くなっちゃうかもしれませんし……見ていられなかったので……。勝手なことして、ごめんなさい。」

 彼女はそう言い、申し訳なさそうに小さく頭を下げている。

 それが……衝撃的すぎた。

 だって普通「助けたんだからお礼しろ。」とか言うのが当たり前のはず。なのに、それどころか謝ってくるなんて……。