最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 だけど同時に、どうして人間がこの学園にいるかという疑問が浮かぶ。

 始業式も来なかったから、全く分からない……。

「えぇ、そうよ。柊木栞さんは人間ね。でも誰も彼女が編入してきた理由を知らないの。私たち教師だって、理事長から何も言われてないのよね。」

 編入してきた理由を知らない……?そんなことがあるの?

 理事長からの連絡もなしって、なんだか怪しい。

 だけど先生はこれよりもっと衝撃的なことを口にした。

「柊木さんね、この前の定期考査も体力テストも学年一位だったのよ。不思議な人間よねぇ……。」

 え?両方、一位……?

 その言葉が素直に飲み込めず、頭の中で何回も繰り返す。

 まさか、そんなことあるわけがない。それにあったとしても、魔族や人外を蹴るなんて……。

 でも、先生が嘘をつくメリットはないし、そう考えると……本当だってことになる。

「どういうこと、だろう……?」

 不意に口をつき、そんなおぼろげな言葉が飛び出す。

 柊木栞。この時までは不思議な人間だと考えていた。

 でもその考えは、一瞬にして壊れることになる。