最強さんは魔術少女を溺愛したい。② ~最強さんからの優しすぎる寵愛~

 まさか新さん以外に、心が読めない人がいるなんて……。

 僕の力は相当強いはず。新さんは最強格の人だから、読めないのは分かっている。

 でもこんなただの人間の心が読めない、ってどういうこと……?

 そのことに呆気に取られていると、彼女があろうことか僕を担いでいた。

 抵抗しようかと思ったけど、手足に力が入らなくて自分じゃどうすることもできなかった。

 情けないと思いながらも、大人しく彼女に保健室に連れて行かれることとなった。



 保健室に着くなり、すぐに僕を保健の先生に引き渡し行ってしまった。

 お礼も言えずに大人しく引き渡され、どうすることもできず先生に手当てをしてもらう。

「で、どうしてこんな怪我を?柊木さんは派手に転んだって言ってたけど……違うわよね。転んだだけじゃこんな重症にはどうなってもならないから。」

 流石保健の先生、よく見てるな。

 まぁよく先生には怪我の手当てでお世話になっているから、今更か。

「一方的に暴力を振るわれたんです。」

「やっぱりね。……柊木さんって、本当に優しいわね。」

 先生はうんうんと頷きながらそう呟く。

 僕は彼女のことがなんとなく気になり、先生にこう尋ねた。

「先生、彼女って……人間ですよね?」

 彼女からは魔族や人外特有の雰囲気がなく、人間だろうと容易に判断できた。